【インドネシア株続落を徹底分析】今狙うべき銘柄と避けるべき銘柄

2026年年初から下落傾向が続いているインドネシア株式市場ですが、インドネシア株の下落は、大きく分けると2つのフェーズに分類できます。

それぞれの背景を紐解きながら、今後はどの水準まで回復するのか、そして今狙うべき銘柄と避けるべき銘柄を考えてみたいと思います。

1回目の下落フェーズ:1月下旬から5月末までの継続的な売り先行

詳細についてはこちらの記事参照

2026年1月27日の取引終了後、インドネシア株価指数を算出するモルガン・スタンレー(MSCI)が、インドネシア市場に対して懸念を表明、その内容は インドネシアの指数は特定の銘柄によって著しく歪められており、投資対象として不適格になりつつある という衝撃の内容でした。

不正な株価吊り上げ不透明な株主構成の露呈、それを放置していた証券取引所や証券会社の品質も問題視され、世界中の投資家からインドネシア市場全体のガバナンスに対する信用が失墜しました。

このフェーズでは、上記のような不適切な対応が問題視された特定銘柄(10銘柄程度)を中心に株式が売られました。

2回目の下落フェーズ:6月3日に突如始まったパニック売り

この日は水曜日、前後で重要なニュースやイベントがあったわけではありませんでした。
株式市場が開いてから1時間程度は若干のマイナススタートでしたが、それから急に売り注文が先行し始めました。後場でも売りがとまらず原因のわからないまま14時頃には▲5.7%も下落。

この第二フェーズの売りについては、決定的な引き金が何だったのか、未だに判然としていません。
メディアなどでは以下のような諸説が報じられています。

  • 歯止めの聞かないルピア安
  • ダナンタラによる資源輸出取引の売却窓口の強制一本化への警戒
  • 財政懸念 (無償給食プログラムや原油価格上昇に伴う財政悪化懸念)
  • インドネシア株式市場から外国人投資家が資金を引き揚げた

しかし、上記の理由は以前から燻っていた問題であり、なぜ6月3日にピンポイントで急激な下落が始まったのかという問いへの明確な答えにはなっていません。

そのため、第二フェーズの売りの本質は、具体的な悪材料とやイベントが出たというよりも、市場に漂う得体の知れない不安が生んだパニック売りだと想定されます。

 

今後の相場見通し:株式市場はいつからどのくらいまで回復する?

今後の株価がどう推移するかについて、この2つのフェーズごとに分けて予測してみます。

  • 第二フェーズ(パニック売り分)は比較的早期に回復 
    パニックによって引き起こされた6月3日以降の下落については、理由がそれほどないため裏を返せば第二フェーズの売りについては、パニック売りが一段落したらすぐに窓埋めする可能性が高いです。何か市場に好材料が出れば比較的早い段階で株式相場が落ち着きを取り戻すと見ています。まずは6,200ポイント(指数水準)程度までは順調に値を戻してくる可能性が高いでしょう。

    パニック売りで売られた銘柄は、業界から時価総額までありとあらゆる銘柄が一斉に売られました。そのため6,200ポイントまではどの銘柄でもある程度上昇が見込めそうです。

 

  • 第一フェーズ(信用失墜分)の回復は不透明 
    1月末からのインドネシア株/インドネシア財政/ルピア安に対する懸念から売られた分は、そうそうに戻ってこないと思います。一度失われた市場の信用を取り戻すには、構造的な改善が必要ですし、そもそも年初の9,000ポイントという株式指数の水準自体、水増しされた数値と考えた方が良いです。

    一方で、現在の株価水準市場全体がPER 11.6倍、PBR1.5倍と明らかに割安水準です。
    年内に心理的な抵抗ラインとなる7,000ポイントまでは上がらないと思いますが、ここで買うのも面白いかなと思っています。

【要注意】今、投資を推奨しない銘柄・セクター

  1. 第一フェーズで下落の原因となった特定銘柄
    市場の信頼を損ねる原因となった疑惑の銘柄群は、今後おすすめできません。意図的な株価の暴騰、買い支えは不可能でしょうから株価の上昇はほとんど期待できず、徐々に市場から人気が落ちていくと思います。

  2. 資源・輸出関連業種
    石炭、パーム油、鉄合金の輸出は、今後ダナンタラが輸出契約をまとめることが決定しています。どの程度業績に影響が出るかは不明ですが、国家主導のコントロールが強まることは間違いないため、様子を見た方がよさそうです。

  3. 国営企業(特に建設・金融・資源
    国家財政の厳しい政権下で国家プロジェクトを推進する際にお財布代わりとして使われる懸念があます。実際に、国営建設業4社はWooshや新首都移転プロジェクトのため莫大な損失を計上しています。原油高にもかかわらずガソリン販売価格等をあげられないプルタミナ、ガルーダ航空、BPJS機構など軒並み国営企業は業績・財政悪化を招くリスクが高いです。

    比較的業績が安定して国営企業の中では優良とされている国営銀行(BNI、BRI、Mandiri等)や国営通信Telkomsel、国営高速道路管理Jasa margaなどですが、いつ政府のお財布代わりとして使われるか分かりません。ひとまず手を引いた方が無難です。


  4. 流動株(フリーフロート)の比率が低い株
    現在、インドネシア証券取引所はMSCI等から、フリーフロート(一般流通株の)割合の拡大を強く指導されています。将来的に上場基準についてフリーフロート15%に改訂するとアナウンスされていますので、これを大きく下回っている企業への投資は避けた方が無難です。
    フリーフロート基準を満たしていない場合、将来的に新株発行や大株主による市場売却によってフリーフロートを確保せざるを得ず、既存株主の価値が大きく希釈化されるリスクがあります。

  5. 高PER(ホットストック)のセクター
    現状、外国からの海外マネーはほとんど期待できません。高PERの銘柄はインドネシア経済そのものが成長しない限り株価が大きく下落するリスクを抱えていますし、仮に経済が好調に推移したとしても爆発的な資金集中は期待できません。

今こそ狙い目!バリュー株

今回の激しい下落局面で、理論値以上に株価が下落していると思われるのがバリュー株です。
パニック売りの中で、バリュー株も釣られて下落している銘柄が多々ありますが、以下の特徴を持つ企業は回復が早い可能性が高いです。

  • キャッシュリッチ企業
    現預金を豊富に蓄えている企業であり、自己株買い、特別配当、事業拡大や事業買収など様々な選択肢を取ることができます。景気動向が不安定な場合に最も評価が高まります。
  • 高配当株
    株価が下落したことで、これまで配当利回りがそれほどおいしくなかった銘柄も高配当銘柄の仲間入りをしている銘柄が出てきています。

バリュー株については、正直これ以上株価は下がらない(底値が堅い)と思います。
海外勢の資金流入が細る局面だからこそ、こうした安定性の固い企業を中心に投資を検討してみるのがお勧めです。現在のインドネシア市場は、パニック的な売りによって割安放置されている優良株を拾うチャンスかもしれません。

管理人
管理人
ちなみに私は1回目の下落時と2回目の下落時にかなり多めに株式を買い付けました。1年~2年程はホールドして様子を見る予定です。