
インドネシア証券取引所(BEI)は2026年7月14日にインドネシア上場株のうち51銘柄をHigh Shareholding Concentration(HSC=株主集中度が高い銘柄)として公表しました。
MSCIからのインドネシアの株価指数が歪んでいるとの指摘に対する、インドネシア証券取引所の改善アクションの一環ですが、あまりにその内容が酷くこれを機に海外投資家から見捨てられる可能性も出てきています。
インドネシア株への投資に興味を持たれている方は絶対に理解したうえで投資してください。
インドネシア取引所では上場維持のルールとして、原則最低7.5%以上の浮動株(市場で一般投資家が自由に売買できる株)を確保することを義務付けています。
日本などの先進国と比べると7.5%という基準すらも生ぬるいですが。。。
これまで全てのインドネシア上場株が表面上はこの浮動株ルールをクリアしていたと報告していましたが、実際には95%以上が特定株主に保有されており、浮動株ルールを大きく逸脱していることが判明しました。
具体的には、株主名簿で複数の名義やファンドに株を1%未満に分散させる保有させるなどの方法で、名寄せしない限りは一般流通株としてカウントされるよう、巧みにカモフラージュされていたことが発覚しました。
問題視されている51銘柄の中には99.99%が特定株主によって支配されており浮動株は0.01%しかないもの、また最近上場したばかりの株も含まれています。

最も最悪なのは、51銘柄の中には昨年末時点で時価総額トップであったBREN、第3位のDSSAなどインドネシア市場を代表する超大型株も多く含まれていたことです。2025年12月末の時価総額トップ20銘柄のうち8銘柄が浮動株のルールを順守していなかったためインドネシア株式市場は無法地帯であることが明らかになってしまいました。
浮動株を意図的に買い占めて、株価を高値でコントロールし時価総額を釣り上げる。
オルカンを含む海外の投資信託はインドネシア株を購入する際に時価総額順に買うため、この割高なインチキ銘柄をずっと買わされていたわけです。
今後は、この51銘柄は株価指数から除外され、投資信託の買い付け対象から外れることが決定しています。さらに、将来的に浮動株のルールを順守するするためには大株主などが自己の株を一般株主に売却する or 新株を発行するしかありませんのでこれらの株は順次下落していく可能性が高いです。
三井住友海上系のLIFE社が警告対象へ
日本人として非常に残念ですが、三井住友海上系のPT MSIG Life Insurance Indonesia(LIFE)もこの51銘柄に含まれていました。しかも株主集中度は99.21%、株式市場には1%も流通させていないという悪意すら感じる酷い状況でした。
LIFE社の買い占めの手口分析

2026年3月末決算において、LIFE社は上記のように株主構成を公表しています。
これまでの証券取引所の開示ルールでは1名義で5%超の大株主のみを開示対象としていました。
LIFE社をはじめとした多くの警告対象銘柄は、自らの関係会社等を経由して株式を市場から買い占めながらも、各名義人の保有率は開示対象外の5%以下となるようにあえて複数名義としていました。
LIFE社は成長性や利益率が高いわけでもない同銘柄がPER50倍、PBR1.8倍と不自然な高水準の株価を維持するために当該手法が使われたと推定されます。
しかしながら、インドネシア証券取引所は2026年4月以降、1%超を保有している大株主を公表するように規定を改定しました。

新たなルールの元で公開されたLIFE社の株主構成の情報を確認すると、一般流通しているはずの7.5%のうちの約5%は合弁先のシナルマス系のファンドや関連会社(PT Timur Suburもシナルマス保有のオフィスビルに住所を置くシナルマス系の証券会社)が買い占めていたことが発覚
残りの2.5%の株主の中にも、シナルマス系または三井住友海上系の株主が1.7%程居たと想定されます。
新たなルールの元で公開されたLIFE社の株主構成の情報を確認すると、一般流通しているはずの7.5%のうちの約5%は合弁先のシナルマス系のファンドや関連会社(PT Timur Suburもシナルマス保有のオフィスビルに住所を置くシナルマス系の証券会社)が買い占めていたことが発覚
残りの2.5%の株主の中にも、シナルマス系または三井住友海上系の株主が1.7%程居たと想定されます。
結果として、株主集中度が99.21%であったことが発覚し警告対象、真に自由に売買している一般株主は少なくとも0.8%しかいなかったという衝撃の結末です。
LIFE社は株主名簿から常に誰が株主であるか確認できる立場です。
これだけの株式集中度を放置しておきながら知らなかったは通用しません。
パートナー企業であるシナルマスとの関係性も含めて再検討や責任の所在を明らかにする必要があるでしょう。