株式市場全体が好景気にあり、主要インデックスは大きく上昇しているのに、
自分の投資した個別銘柄は、ほとんど値上がりしていない・・・。
みなさんは、そんな経験はありませんか?
もしかすると、それは個別銘柄のベータ値が関係しているかもしれません。
今回は、株式市場全体と個別銘柄の関係性を表すベータ値について
簡単に解説してみたいと思います。
個別銘柄のベータ値の確認方法
株式投資先を検討する際、過去の株価チャートを参照すると思いますが、
その時のチャート画面は、だいたいこんな感じだと思います。
このように、チャート画面の下部等には
EPS(1株利益情報)や配当利回りといった重要指標の中に
ベータ値も併記されているサイトが大多数です。
それほど、ベータ値は投資家にとって重要な指標なんです
これまでベータ値に注目していなかった方は、株式投資の銘柄選定、
特にポートフォリオを構築する時に、活用して欲しいと思います。
ベータ値とは、個別銘柄の感応度を示す指標
ベータ値とは、証券市場全体の動きに対する感応度を示す指標と言われます。
例えば、ベータ値が 1 の株式銘柄を保有していた場合に
インドネシア総合指数が1%上昇すると個別株価も1%上昇すると期待できます。
反対に、総合指数が下落した局面では、その個別銘柄も同水準だけ
下落することが予想されます。
ベータ値が高い株式銘柄の特徴
ベータ値が高いということは、株式市場全体の値動きよりも激しく
個別の株価が動くことから、高リスク、高リターンな銘柄と言えます。
一般的には経済状況に左右されやすい業界(例えば、建設業、鉱業)や、
株式売買高の少ない小型株が多く該当します。
多少リスクは承知の上で、一攫千金を狙いたい場合や
これから経済が堅調に推移すると予想できる場合には、
ベータ値が高いものへ投資した方が、短期的な収益率が良くなります。
ベータ値が低い株式銘柄の特徴
一方で、ベータ値が低いものは、景気変動の影響を受けにくいことから、
低リスク低リターンなディフェンシブ銘柄と言えます。
業種別ではガス、電気などのインフラ業界、食品業界、医療業界が当てはまり
これらの業界は、生活必需品としての需要が底堅く、経済状況が悪化しても
大きな値崩れを起こしにくいと言われています。
ベータ値の理想の水準とは?
ベータ値への理解が深まってきたところで、気になるのが
ベータ値の理想値はどのくらいかということです。
しかしながら、ベータ値に理想値というのはありません。
ベータ値は、あくまで株式銘柄の感応度という特徴を示すに過ぎず、
必ずしも高い方が良い、低い方が良いと結論付けることはできません。
しかしながら、投資の目的や期間に応じたポートフォリオの構築において
ベータ値を参照することは非常に有用です。
おすすめのベータ値利用方法は3つ
①バランス重視ならベータ値1に近い銘柄に投資
このような投資を行えば、株価指数に概ね連動する投資ポジションとなります。
株価指数さえ確認していれば、ある程度の損益管理が可能となりますので、
個別銘柄の株価変動にビクビクする必要がなくなるというメリットもあります。
高ベータ値の銘柄と低ベータ値の銘柄へバランスよく投資する方法でも、投資全体ではベータ値は 1 に近づくから、これと同じような投資方法になるね。
時間がなく、毎日株価を確認できない会社員にお勧めのバランス投資法です。
②経済成長が確実と予想されるなら、高ベータ値銘柄に投資
経済状況に不安材料がなく、経済成長が確実と想定される局面では
積極的にベータ値が高い銘柄に投資することが良いかもしれません。
株価指数の上昇率以上にする個別銘柄の株価が上昇することが期待できます。
しかし、突然の経済ショックが起きると、大損害を被る可能性があります。
くれぐれも損切設定は忘れずに!
③長期保有目的で低ベータ値銘柄に投資
低ベータ値の銘柄への投資は短期的な利益の獲得は難しいですが、
長期的には緩やかに、確実に成長していくことが想定されるます。
長期間の株式投資では、ベータ値の低い方が収益率が高いとの研究結果もあり、
著名投資家であるバフェット氏も、低ベータの投資銘柄へ投資することで
大きな利益を得てきた投資家の一人とも言われています。
長期保有で確実な利益を得たい方や株式投資初心者へお勧めの投資方法です。