新型コロナウィルスが世界中に広がり、インドネシアの株式市場にも大きな影響が出ています。
この混乱に乗じて、インドネシア証券市場(BEI)が、突如ルール変更を行っていますので注意喚起も含めて情報アップデートします。
値幅制限の強化
インドネシアの各株式銘柄は、その株価水準に合わせて1日あたり35%~20%の値幅制限が設定されていました。
従来の値幅制限については、インドネシア株式市場での値幅制限 参照。
しかし、現在は暫定的に一律7%へ変更されました。
サーキットブレーカー導入
インドネシアでもサーキットブレーカ制度が新たに導入されました。
IHSG(インドネシア総合指数)が5%を超えた場合、30分間市場取引ができません。
営業時間の短縮
これまで営業時間は、前場9時~12時、後場13時30分~16時でしたが、
営業時間短縮となり前場9時~11時30分、後場13時30分~15時へ変更されました。
自己株式取得
上場会社の自己株式の市場からの買い取りについては、株主総会(議決権の2/3の賛成が必要)とされており、日本や米国のような積極的な自社株買いはありませんでした。
しかし、上場企業の自己株式取得について、株主総会での決議不要で実施できるとされました。
実際に国営上場企業を中心に50社程度で自社株買いの可能性があるとされています。
2020年度の祝日変更
コロナウィルスの地方への拡散防止のため、5月末に設定されていたレバラン長期休暇の一部が年末に移動となりました。
これにあわせて特に、5月、12月の営業日が変更となっています。
【まとめ】今回のルール改正判断は良かったのか?
今回の改正点は、どれもインドネシア株式市場がパニック相場となることを食い止めるため、事前の予告なくどれも突如変更されています。
当時の発表文はこちら
例えば値幅制限については、3月12日に公表、翌13日より有効とされており、事前の十分な周知はありませんでした。またこれらの一時的な対応について終了日も不明となっているなど一時しのぎのルールであることが否めません。このようなルール変更自体がパニック相場を誘発したとも言えます。
公正なルールのもと運営されるべき株式市場において、コロナウィルス対策を名目にルール変更したことは個人的には大失敗だと思います。