株式相場全体の状況を理解するための経済指標のうち、最も有名で重要なのが
インデックス指数といわれるものです。
日本だとTOPIX、日経225、米国だとNYダウなどが代表的なインデックスですが、
これらのインデックスは、上場株式のうち特に安定的で流動性の高い優良企業を
市場の代表銘柄として指数化したものです。
裏を返せば、インデックスに織り込まれている銘柄は倒産リスクや株価の急落リスクが
比較的少ない安定的な株式ですので、これらの銘柄を中心に株式投資を行う
インデックス投資は、初心者から上級者まで広く普及しています。
もちろんインドネシアにもインデックスは存在しますので、
インドネシアの主要なインデックスを解説したいと思います。
【重要】インドネシアの主要インデックスは4つ
インドネシアのインデックスは20個以上存在しますが、
よく利用されるインデックスは結構限られています。
以下の4つは、インデックスの名称と特徴は抑えておきましょう。
1. JKSE(ジャカルタ総合指数)
「1983年4月1日の時価総額」を100ポイントとしてそれ以降の構成銘柄の時価総額を
指数化したインデックスで最も歴史がある指数です。別名はIHSG
上場株式銘柄のうち、メインボード銘柄すべてを対象として時価総額が計算されてます。
メインボード銘柄は現在約300銘柄存在しており、インドネシアの証券市場全体の半分程度を占めていますので、
市場全体の動向を最も反映している指数といえ、JKSEが上昇局面の場合には、
インドネシアの証券市場に多くの資金が流入している局面であると判断できます。
2. LQ45
流動性の高い 45 銘柄の時価総額を加重平均した指数です。
「1994年7月13日 」を100ポイントとしてそれ以降の構成銘柄の時価総額を指数化したもので
JKSEの次に古いインデックスとして広く浸透しています。
頭文字のLQは Liquid = 流動的 から来ています。
つまり市場での需要が高い銘柄が優先的にピックアップされる特徴を有しており、
その他にも
・上場から3カ月以上経過していること
・時価総額が十分に大きいこと
等が構成銘柄の要件となっていますので、
流動性の特に高い優良銘柄を中心としたインデックスです。
このLQ45に組み込まれている銘柄を中心に投資を行うと、
安定性が高い株式運用が可能ですので、初心者だけでなく、
多くのファンド運営方針として採用されていますのでお勧めです。
また銘柄は1月と7月の各月末に6か月ごとに定期的に見直され、結果は翌月の初めに発表されます。ここ数年は毎回3銘柄~5銘柄が入れ替えとなっています。
3. IDX30
LQ45を、さらに30銘柄を厳選したインデックスです。
ファンド運営での銘柄選定において45銘柄は多すぎるという声に対応するための
インデックスとして開発されてました。
財務諸表の業績状況や事業の継続性等についても追加で考慮したうえで銘柄が決定されており、
銘柄の入れ替えはLQ45と同時期です。
4. JASICA(Indeks Sektoral)
JKSEを9つのセクター分類しそれぞれを指数化したものです。
私は、JKSEにてインドネシアの証券市場全体の動向を確認したうえで、
詳細な分析を行う場合に投資ターゲットのセクター別動向としてJASICAを見るようにしています。
その他参考までに紹介
JII(Jakarta Islamic Index)
民間企業により運営されているインデックス。
シャーリア法においてハラムとされている物質(アルコールや豚など)を販売・製造しないといったイスラムの指針に沿って運営されている企業を対象にした指数。
ムスリム以外の方にとっては利用頻度の低い指数かもしれません。
Indeks Kompas100
証券取引所とコンパス社(新聞会社)が共同で運営しているインデックスです。
大型株を中心に上場株100銘柄を含んでおり、インドネシア証券市場の時価総額の70%程をカバーしているのが特徴です。
【考察】インデックス投資法はお勧めできるか?
個人的に、インドネシア株式でインデックス投資することには否定的です。
インデックス投資の魅力は何といっても平均的で安全ということですが、
優良銘柄以外も必ず混じっていますので、収益性は伸び悩みます。
また、インデックス投資すると個別銘柄の業績やチャート推移を追わなくなり、株価 の変動に一喜一憂する思考停止の状況になります。
このあたりの議論は尽きないところですが、せっかくインドネシアという変動の大きい市場で勝負するのであれば、
収益性だけ平均的なところを追ってもしょうがないという気がします。
平均的な収益を求めるのではなく一攫千金を狙いたいところです。
インデックス情報の活用について
私の場合、ファンダメンタル分析がメインの投資戦略ですので、これらのインデックスを重視していませんが、JSKEとLQ45は毎日チェックしています。
IDX全体の動向を把握し、株式売買のタイミングを検討するためですが、それ以外に個別銘柄へ投資する際にJASICAを見ることもあります。