2019年度の株式市場へ大きな影響を及ぼすであろう大統領選の投票日が残りわずかとなりました。以前に大統領選の概要を記載しましたが、あれから2カ月経過しましたので、現在の状況をアップデートしていきたいと思います。
前回の大統領選の概要に関する記事はこちらを参照ください。
先日、第4回目の公開討論が終了しました。
これまで以上に強い口調で、プラボウォ氏が現政権の外資企業の優遇批判や外交政策批判を展開し、根拠はともかく(?)一般庶民のナショナリズムをくすぐる手法は流石でした。
一方のジョコ氏も、淡々と各指標を示しながらプラボウォ氏の批判に反論していましたが、個人的には今回の公開討論はプラボウォ氏に軍配があがるのではないかと思います。
2019年大統領選に勝つのはどちらか!?
しかしながら、今回の大統領選はこのままジョコ氏が再選となる可能性が高いと予想します。
つまり、前回2014年の大統領選ほどの大接戦とならず、このままリードを保ち続けるのではないかと考えています。
理由は以下の3つです。
1. 選挙終盤なのに支持率差が思ったほど縮まっていない
大接戦となった前回の大統領選では、半年ほど前に行われる出馬表明時に20%程度あった支持率差は、投票2カ月前に7%まで縮まり、投票2週間前には3%差と急激な追い上げをみせ、開票を待たなければどちらの勝利かもわからない大接戦が展開されました。
では今回の大統領選での支持率差はどのように推移しているでしょうか?
出馬表明時の調査では支持率差19.9%でジョコ氏が圧倒していたのは前回と類似しますが、選挙1カ月前の最新の調査結果として、ジョコ氏49.2& プラボウォ氏37.4% 支持率差11.8%と縮まってきてはいますが、前回程の追い上げは見せれていません。(コンパス紙の調査結果より)
10%超の支持率の差をひっくり返すことは容易ではないと考えています。
2. 各政党が大統領選だけに注力しにくい環境
今後、逆転劇が起きにくいい要因として今回から大統領選と総選挙(議会選)が同日実施になったことが挙げられます。
各政党は大統領選にだけ注力することが難しく、結果として前回の大統領選と比較して、大統領選のための大規模キャンペーンがが実施しにくくなっています。
3.注目度の高い公開討論会でジョコ陣営を追い詰めれなかった
公開討論会は多くのテレビ局が生中継し、インドネシア人が注目している発言の機会ですが、特にプラボウォ陣営は追い上げる側にあり、過激な政策や発言をするのではないかと想定していましたが、意外と大人しかったという印象です。
第4回目の公開討論後の世論調査でも支持率差が大きく縮まる材料はなく、また第5回目は4月13日開催と投票日である17日の直前でもあり、支持率逆転のための十分な時間が残されていない状況です。
大統領選前に買っておくべき株式銘柄はどこか?
私は、大統領選はこのままジョコ陣営が一定のリードを保ったまま勝利すると予想します。
ジョコ氏が再選するシナリオが実現すれば、政権の安定運営が望めますので投資家の株式買い意欲を誘発するものと想定します。
特に、インドネシアは通貨安と貿易赤字に悩まされた過去がありますが、現政権では多くの政策を実施することで問題を改善してきた実績があり、経済の安定が見込まれるます。そのため特に外国人投資家のインドネシア株買いにつながるのではないかと思います。
業種別に言えば、小売業や飲食業、物流業、不動産業といった内需については、経済の安定により大きく高値を目指す可能性があります。続伸する可能性があります。
一方で現在は米中貿易戦争やイギリスのEU離脱といった世界経済の停滞につながるリスクが露呈しつつあり、世界市況の影響を受ける資源株や製造業(自動車産業含む)については、小幅な値動きとなるのではないかと予想します。