インドネシアで株式投資を検討している投資家にとってインドネシアの税制は必ず抑えておくべき重要ポイントです。
・株式取引で売却益を出したが、納税額も大変な金額になった
・税金の申告制度を怠ったことで脱税事件に発展した
こんな不安を感じて株式投資に消極的な人もいるかもしれません。
でも大丈夫です!
インドネシアの上場株式の売買に関する課税は超簡単!
さらっと勉強して、そんな不安を吹き飛ばしましょう
なお、この記事は、インドネシア居住者(インドネシア駐在員含む)が
現地の証券口座を通じて上場株式を売買した場合を前提としています。
日本の証券会社からインドネシア株式の取引をする場合の適用税制は
今回の記事内容と異なりますので要注意!こちらの記事を参照。
課税タイミングと税率は2パターン
インドネシアの上場株式に関する個人投資家への課税は、
1.株式売却時
2.配当受取時
のタイミングで発生します。
そして気になる課税額は
1.株式売却時・・・ 株式売却額×0.1%
2.配当受取時・・・ 配当額 ×10% *3年間再投資が条件
これらの税金は現地の証券会社にて自動で源泉徴収されるため日本のように自身で株式所得を計算し、追加納税を行うことはありません。
※どちらもファイナルタックス扱い(PPh4-2)
【実例解説】株式売買時の税額計算
上記のように、課税計算は非常にシンプルですが
念のため、取引設例を使って税額計算を行ってみよう
設例
1株 @1,000ルピアで買った上場株式を@2,000ルピアで売り抜けた場合、課税額と口座入金額はいくら?
税額計算(インドネシアでの株式売買)
株式売却額 @2,000ルピア × 0.1% = 2ルピア
また、あなたの証券口座へ入金される金額は
株式売却額 @2,000ルピア – 源泉税 2ルピア=1,998ルピア となります。
ちなみに、同様のケースで日本だとどうでしょうか?
日本の特定口座(源泉あり)の場合、
株式の譲渡利益に対して約20%の課税とされています。
上記設例のルピアは円に読み替えたとして、計算を行うと
税額計算(日本での株式売買)
譲渡所得(売却額@2,000円 – @取得額1,000円) ×源泉税 約20%=200円
実に100倍の差となります。
上記は単純計算のパターンであり、日本では株式譲渡の損益通算やNISA(少額投資非課税制度)による節税も可能ですが、
・売買取引高の上限が設定されている
・制度適用のための事前届け出が必要など制度がやや複雑
といった問題点もあり、これらを活用することが難しい方も多いと思います。
なお配当に対する課税についても
インドネシアでは0%に対し、日本では20.315%
配当の受取についても、インドネシアの税制に軍配が上がります。
インドネシアの税制のデメリット
既に勘のいい方はお気づきかもしれませんが、インドネシアの株式への税制にもデメリットもあります。
それは、たとえ損失が発生した取引でも源泉が発生するということです。
やむなくロスカットした際には株式取引自体の損失に加え、売却取引時の源泉徴収もありますので手元に戻ってくる金額はさらに少なくなります。損失時にはダブルパンチを食らうことを念頭に置いておきましょう。
なお、インドネシアでは株式等の損失を翌年度以降に繰り越ししたり
他の所得と相殺(損益通算)できるという制度はありません。
インドネシアで有利な投資戦略は?
先ほど設例で明らかなように、インドネシアの税制を考えると中長期保有戦略による投資が最も有効な投資戦略と考えます。
売却額の0.1%だけ課税で終わります
反対に相性が悪いとのは短期のスイング戦略(特にデイトレ)です。 なぜなら、売却取引の都度課税がされるので 売買を頻繁に繰り返す = 税負担が増大 となるためです。
デイトレで結果を残し続けるのは至難の業…