【検証】Sell in Mayはインドネシア市場でも存在するのか

株式の個別銘柄の値動きは予測不能でランダム見えても、

市場全体は、ある時期だけ一定の法則で値動きすることがあります。

株式の世界では、このような特徴的な動きが格言として知られており、

最も知られている格言の1つが ”Sell in May” ではないでしょうか。

直訳すると、”5月に売却せよ”ですが、

本来はもう少し長文で、

「Sell in May, and go away.  Don’t come back until St. Leger day.」

”5月に売って9月第2土曜に戻って来なさい”と訳されています。

この格言の真意は

5月から9月にかけては株式市場全体の売買量が減少するので

その前に売っておくことが良い解釈されています。

管理人
管理人
5月以降は株価が下落するから売っておけ!
・・・という意味ではないからね

5月から株式市場の取引量が減少する主な理由

5月以降の株式市場の取引量が減少する理由として

よく挙げられるのが以下の3つのポイントです。

・年初以来の株式売買が一服し、値動きが鈍い


・ヘッジファンドの解約期日のため、積極的な買い付けが少ない

(いわゆる45日ルール)


・欧米では夏季休暇を数カ月あり、市場参加者が減少する

このような理由から、株式取引量が相対的に減少するため

株式相場の転換期になりやすいと言われています。

管理人
管理人
相場のトレンドが変化しやすいので注意しよう!


インドネシアの株式市場でも ”Sell in May” は通用するのか

元々、この ”Sell in May” の格言は米国のウォール街のものですが、

外国人投資家の重要性が高まってきた昨今では、

日本をはじめとした世界の市場で意識されています。

では、インドネシアでは ”Sell in May”の季節性が当てはまるのか?

結論から述べると

インドネシアでも”Sell in May”の季節性は当てはまります。

まずは、実際の株式売買のデータを見てみましょう。

上記はインドネシア証券取引所のHPで開示されている

2015年~2018年の4年間分のデータです。

5月~9月頃までは実際の月間株式売買量が少なくなっています。

5月~9月のインドネシア株式市場の売買高が少ない2つの理由

1. 外国人投資家比率が高く、”Sell in May”を意識する投資家が多い


インドネシアの株式市場の時価総額に対して

実に50%超が外国投資家によって保有されていると言われています。

5月~9月の外国人投資家の株式売買が減少するだけでなく、

国内投資家もこのような株式相場状況を見込んで

この時期は売買手控えとなる傾向にあります。

2. レバラン休暇前のポジション手仕舞いが多い

インドネシアでは、1年のうちで最大の連休となる

レバラン長期休暇が5月後半に設定されています。

※レバラン休暇の開始時期は毎年約10日づつ前倒しとなり変動しますが

2019年は5月末から休暇がスタート。

レバラン休暇の間は、株式市場はクローズとなり、

この期間は株式の売買ができません。

投資家心理としては長期休暇中に無用なリスクを負いたくないため

レバラン休暇前から徐々にポジション整理を行います。

管理人
管理人
レバラン休暇中に、戦争や経済危機が発生するリスクを考えるとポジションを持っておくのはリスクが大きいよね


この結果、積極的な株式売買が減少、結果として他の月より売買高が減少します。

このほかにも、今年は大統領選に伴うデモの影響とルピア安進行のため

外国人投資家の資金流入が軟調となる可能性があります。

一旦ポジションを調整したうえで、9月頃までは底値を拾う形の取引がよさそうです。