株式投資に掛かる手数料


インドネシアでの株式投資において発生するコストは

・売却や配当に掛かる税金

・売買時の手数料

の2種類に分けられます。


このうち、税金の詳細はこちらに記載しているので

今回は、株式売買時の手数料負担を勉強しましょう。

インドネシアの株式投資では税金負担よりも、手数料負担の方が大きくなりがち…


株式投資時の手数料は4種類!

代表的な株式投資時の手数料は、以下の4種類

※インドネシア居住者で一般的な証券会社を利用したケース

No. 手数料名目 手数料率 備考
1 売買手数料 0.15%~0.3% 片道あたり
2 配当金の源泉所得税 0%

3年間の再投資が条件

3 株式売却税 0.1%

売買手数料に含まれて
自動徴収されます

4 口座開設・維持手数料 無料~10万ルピア

別途最低デポジット(~10Juta)額が設定される

5 証券口座への振込手数料 無料~1万ルピア

グループ間送金だと
無料となる場合が多い

1) 売買手数料


インドネシアでの株式投資で最も負担が大きいのがこの売買手数料

日本の証券会社では国内の株式売買について1約定100円程度の設定なので

片道0.1%程度の売買手数料負担ですが、

インドネシアでは片道0.15%~0.3%程度が相場となっています。

管理人
管理人
日本と比較して約2倍の負担は結構重い…

例えば、BNI証券(インターネット取引)では

・株式取得時の手数料0.15%

・株式売却時の手数料0.25%

の料率設定となっています。

2)  配当金の源泉所得税


インドネシアでの上場会社の配当金に対しては、インドネシアでの3年間の再投資を条件に源泉所得税は0%とされています。

つまり証券口座には配当金の100%が振り込まれます。

受けとった配当金は源泉分離課税と呼ばれるもので、当該配当金に対して個人所得税は掛かりません。(条件を満たさない場合には20%の源泉所得税)

3)  株式売却税

多くの証券会社で売却時の手数料の方が0.1%高い料率設定なのは何故?


実は、売却時の手数料には

 株式売却税0.1%を含んで売買手数料が表示してあるケースが多いです。

管理人
管理人
このあたりの表示方法は証券会社別に違うので
株式売却税0.1%が含まれて表示されているのかどうかは口座開設時に必ず確認しよう

ちなみに、前回の税金のエントリー時に記載した通り、

インドネシアでは株式売却税を個人で別途計算し納税する必要はありません。

全て証券会社を通じで自動的に徴税・納税される仕組みですので税務申告も不要です。

4) 口座開設・維持手数料 


口座開設手数料は多くの証券会社で無料のケースが多いです。

口座開設時に最低入金額が設定されているケースはありますが

ネット口座なら50万ルピア~300万ルピア程度の設定が多く

大きな資金負担にはならないでしょう。

また、口座維持手数料については証券会社毎に異なりますが、

大半は無料か数万ルピア/月ですのでこちらも気にする必要はありません。

5) 証券口座への振込手数料


開設した証券口座への入金あるいは出金を行う場合には

一般の銀行振込手数料が発生します。

こちらは、振込を行う銀行の設定によりますが、

5,000ルピア~10,000ルピアが相場でしょう。

大した金額ではないですね…と言いたい所ですが、

・頻繁に口座間の資金移動を行う予定がある

・毎月少額ずつ株式を買い増しする予定

といった投資スタイルの方にとっては意外に重要な手数料項目で、累積だと地味に効いてくる可能性があります。

そこでお勧めなのは、メイン銀行の傘下にある証券口座開設です。

なぜなら同グループ間の資金移動は振込無料のケースが多いからです。

管理人
管理人
グループ間に証券会社を持っているのは、BCA銀行やMANDIRI銀行、BNI銀行等が有名ですね

1日当たりの振込上限にご注意を!


株式投資の資金を証券口座へ移動する際に特に注意してほしいのが、

インドネシアでは振込上限は極端に低く設定してあるということです。

日本では個人口座間の振込だと1日の振込上限が50万円~100万円程度に設定されているのが一般的ですがインドネシアでは1日あたり1千万~2千万ルピア程度の振込上限となっています。

管理人
管理人
日本円に換算すると10万円~20万円を上限となりますので、多額の資金を動かす方は要注意!


狙っていた銘柄が大暴落したから明日一気に買い付けたい!

と考えていたのに、証券口座に資金移動できず買い付け機会を逃すなんて失敗を起こさないように計画的に資金移動を行うことが重要です。


このようなケースに陥らないために

・銀行口座カードランクを一番高いもので申し込み
⇒カードランクを高くすることで振込上限も高くなるのが一般的

・同一銀行グループの証券口座を開設
⇒同一銀行間の振込上限は他行間よりもやや高め

・いくつかの銀行口座を開設し資金を分散させておく
⇒銀行システムトラブルも想定していくつか作っておくのがお勧め

このような対策をあらかじめ検討しておきましょう。

最後に実際の取引明細を見ながらおさらい

では、実際の株式売買明細を見ながら負担手数料を確認してみよう

赤色は株式取得時の明細です。

手数料合計の計算は IDR 7,800,000×0.15%(売買手数料) = IDR 11,700 ですが

明細上はコミッション・VAT・Levyの3つに分類されています。

まず、VATですが、インドネシアでも株式の譲渡自体はVATの課税対象では

ありませんが、銀行へのコミッション支払い分は課税対象となりますので

コミッションフィー×VAT10%の負担が必要です。

Levyの項目はIDX Levy 0.03%とKPEI fee 0.01%の合計です。

・IDX Levyは、インドネシア証券(IDX)への手数料

・KPEI feeは、決済保証機関(KPEI)への手数料

として各取引ごとに負担が必要な項目となっています。

管理人
管理人
これらを全部合わせて、株式取得額× 0.15%として設定されているんですね


次に、青色は株式売却時の明細です。

ほぼ、赤色の株式取得時と同様ですが、Sell Taxの項目が追加されています。

これが株式売却税0.1%の部分です。

正直な話、手数料内訳までここまで正確に理解する必要はないとは思いますが

証券会社や投資手法によっては、意外と手数料負担が重くなるケースもある

ので証券会社間の手数料比較を行うときには、是非参考にしてください。