【投資入門記事】インドネシアルピアは銀行に預けるな!?


インドネシアで働いている日本人の多くは、給与の一部または全額をインドネシアルピアで受け取っています。

非常に残念なのは、受け取ったまま銀行預金に入れっぱなしで放置しているという方が本当に多いということです。

私からすれば それ、インドネシアではご法度です!


インドネシアでの生活するための最低限の金融リテラシーともいえる、インドネシアルピアの常識を一緒に勉強しましょう。

☑インドネシアルピアを銀行預金に預けると損をするカラクリ

【事実1】 インドネシアルピアの価値は年平均5%下落する


インドネシアだけでなく、途上国の通貨は長期的には通貨安となります。
これはインドネシアルピアの額面金額は変わりませんが、その資産価値は実質的に目減りし続けるということです。

実際の過去20年分のチャートでもルピア/米ドル、ルピア/日本ともに、20年でルピアの価値は半減しています。

すなわち、あなたの持っているインドネシアルピアは
平均で年5%くらい価値が目減りすることを覚悟する必要があります。

【事実2】 銀行普通預金の金利は全然高くない


一方で、”インドネシアの銀行預金利息がかなり高い”なんて話もよく聞きます。

これって、本当でしょうか?

普通預金金利が、実際どのくらい付くのか銀行HPで確認しましょう。

BCA 定期預金金利

BCAのホームページからの引用ですが、だいたいどの銀行も同水準です。

現在の利率はたったの0.01%です。

コロナ前はもう少し高い時期もありますがそれでも1%にも満たない水準でした。日本の銀行預金と比較すると利率は高いと感じるかもしれません。

でも冷静に考えてください。

毎年5%程度資産価値が目減りするリスクを抱えながら、せいぜい1%程度のリターンしかないなんて、誰が考えても損します

☑資産価値の目減りに対抗するには

インドネシアルピアの価値が平均5%目減りに対することに対する防衛策は実はいくつかあります。

以下は代表的な方法を紹介します。

せっかく稼いだ自分のお金ですから、自分に価値観に合う方法、またはいくつかの手法を組み合わせて資産防衛していきましょう。

【対策1】 先進国通貨への両替


インドネシアルピアで持つと大きな為替リスクを負うのだから米ドル、日本円、ユーロなどの先進国通貨に両替してしまうという簡単な理屈です。

管理人
管理人
インドネシア人の中にも、毎月両替商に通っている方結構いますよね。


彼らはアジア通貨危機の経験から、インドネシアルピアの不安定性が身に染みてわかっています。彼らの財テクを参考にしたいところです。

【対策2】 ゴールドや不動産への現物投資


インドネシア人の中には、ゴールドの指輪やネックレスをせっせと買っている人も多いです。富裕層は車、土地、マンションなどを積極的に買ったりもしています。

これは途上国通貨で保有すると価値価値が目減りするのであれば、現物資産に変えてしまおうという考えで、多くの発展途上国でもよく見られる行動パターンです。

もちろんこれらの現物も大きく値下がりのリスクを含みますので、複数の現物資産を保有してリスク分散をすることが大事です。

管理人
管理人
ただ、外国人の方は不動産の購入は規制により実質できませんし、ゴールドも紛失してしまいそうでなかなか現実的ではないですね。

【対策3】 インドネシアの債権や株式への投資

対策1および対策2は、インドネシアルピア以外で保有するという選択肢でしたが、インドネシアルピアが年平均5%目減りするなら、金融投資でそれ以上のリターンを狙うというのがこの考え方です。

金融投資は色々な種類があり、リスクとリターンの関係も大きく変わりますが簡単にまとめるとこんな感じです。

定期預金

リスク僅少だが
リターンも高くない

執筆時点の定期預金金利は1.9%、
資産の目減り年平均5%に対抗するには不十分なことも。
社債 リスクは中だが
リターンも中程度
8%~12%程度のリターンを見込めるが、万が一、会社が倒産した場合、元本毀損の懸念も
株式投資

リスク高だが
高リターンが望める

投資手法によるが、20%程度のリターンが見込める。ただし、株式相場によっては大損する可能性あり。

☑各自が許容できるリスクに応じて投資

日本円の感覚で、インドネシアルピアも銀行口座に預けっぱなし、そんな方々をこれまで何人も見てきました。

とてももったいない というのが正直な感想です。

管理人
管理人
堅実に定期預金や社債に投資していたとしても、十分な利益が出ていたでしょう

株式投資以外にも資産防衛方法はありますが、せっかく株式投資という高リスクを積極的に取る以上は資産防衛だけでなく、資産を少しでも増やせたらというのが株式投資の目的でもあり醍醐味です。

株式投資は数ある資産防衛の一つにすぎませんが、少しでも読者の方の参考になればと思います。