BCA銀行の特徴
インドネシアの民間銀行の最大手に君臨するのがバンク・セントラル・アジア銀行(BCA)です。
アセアン最大の民間銀行ですが、その知名度だけでなく行き届いたサービスにも定評があります。
インドネシアの証券取引上でもその存在感は大きいです。
銀行セクターの総資産に占める割合は1行で10%強のウェイトを占めておりインドネシアを代表する株式銘柄と言えます。
インドネシア総合指数(IHSG)全体の株式取引高の5%を構成しています
流動性についても文句なしの優良銘柄と言えます。
15年間右肩成長を続けた優良銘柄
ついにコロナショックで大暴落!
インドネシアの株式銘柄の中でも、特に堅調であったBCA銀行株ですが、
ついにコロナショックの影響を受け株価が暴落しました。
2020年1月15日に史上最高値であるRp35,300を記録した後、
大暴落となり最大Rp 21,625まで下落し、下落幅は△38.7%となりました。
これほどの大暴落は1998年のアジア通貨危機以来です。
ブログ執筆時にはRp29,000程度まで株価水準が回復していますが、いまだ半戻しの状態です。
BCA銀行の収益性は本当に低下したのか?
日本の銀行業は金利収入による収益確保が困難となったことから、ここ10年程度で収益構造が劇的に変わりました。
一方で、インドネシアでは資金調達は銀行借り入れがまだまだ一般的であるとともに、政策金利も高水準に設定されていることからインドネシアの銀行業の収益の大半は金利収入がとなっています。
BCA銀行の収益構造も大半は金利収入から成り立っており、
実際に1株当たり純利益(EPS)と貸出残高には明確な比例関係が見て取れます。
このように貸出残高はとても重要な指標ですので、もっと詳細に分析してみましょう。
下記がコロナショック後の最新の貸し出し残高推移です。
2020年4月に貸出残高が微増しているのは、資金繰り懸念からの一時的な資金需要が発生したためと思われます。
実はリーマンショックの際も同様の動きが認められますので現時点では収益性について確定的な結論を出すことはできませんが、それでも貸出残高の推移は悪くない動きをしており、収益性が低下している兆候はまだありません。
BCA銀行の貸出残高はこれから若干停滞するかもしれませんが、その後堅調に伸びるというシナリオを想像しています。
それでも私がBCA銀行に積極的に投資しない理由
ここまで、BCA銀行がいかに優等生であるか書いてきましたが、それでも私はBCA銀行株への投資は少額しか考えていません。
なぜなら、現在の株価に将来の成長性が相当見込まれているためです。
執筆時点でのPERは25.3年、PBV 4.2倍をマークするなど他の銀行銘柄と比べても異常といえるほど割高です。
もちろんこれはBCA銀行への投資家の信頼の厚さから来るものですが、収益性に疑問が生じるような状況に陥った場合には大暴落する可能性があります。
日本株で言えば、ZOZOタウンやスルガ銀行の大暴落等が記憶に新しいですが、このような収益性を見込んだ株価推移は特に要注意だと思います。
コメント
七夕に投稿お疲れ様です!
私も今回のコロナ暴落からインドネシア株を少し買ってみました。ただ、sbi証券で買ってしまったので、手数料も高くつきました。。。
国自体は成長しているのに、大型株の会社の株価はここ数年むしろ下がっているところが多い気がするのはなんでか、というのが気になっています(*´﹃`*)
成長を織り込み済みで高目の値がついていたのが、適正価格になったのでしょうか??
コメントありがとうございます。
2019年の大統領選選挙の際の暴動や、米中貿易摩擦、ルピア安進行などインドネシアにとってネガティブなニュースが多く
常に株式相場には心理的不安があったように思います。そのため外国資金を十分呼び込めず大型株の株価も不調であったというのが私の整理です。
コロナショックによりインドネシアご自慢の経済成長率に明らかに陰りが出てきました。
ここからさらに下がるのか、はたまた底値拾い時なのか….
ありがとうございます!
やはり全額今入れるのではなく、時間で分散して投資していきたいと思います。
これからも応援しております(๑•ω•๑)♡