2024年2月14日 インドネシア大統領戦の投票日が近付いています。
報道によれば、プラボウォ・ギブラン 正副大統領候補が50%を超える支持率を確保しており、このまま1回目の投票で決戦が決まるものと予想されています。
報道の通りこのままプラボウォ・ギブラン の正副大統領候補が当選したとして、今後成長が期待される注目産業についてまとめてみたいともいます。
妊婦・子供用の食品需要の拡大
今回の選挙でプラボウォ・ギブラン 正副大統領候補の公約(?)として打ち出したのが妊婦・子供の栄養状況の改善でした。
インドネシアでは人口ボーナス期にあり、出生人数は引き続き高い水準を維持していますが、貧困層を中心に子供の栄養失調が問題となっています。
大統領候補者によるディベート大会では、具体的な施策については言及がなかったものの、無料での学校給食と牛乳配布がメインの政策として報道されています。
プラボウォ・ギブランペアは農家の所得増加についても政策の1つとしています。どの程度の規模のものかは不明ですが、ある程度予算を割いて学校給食を実施する可能性は高いだろうと見ています。
妊婦・子供用の食品をテーマにした銘柄
CMRY:チモリーブランドでのパック牛乳、ヨーグルト、肉団子等の販売
ULTJ:ウルトラブランドでのパック牛乳、パック紅茶等の販売
JPFA:グリーンフィールドブランドのパック牛乳、その他養鶏ビジネス等
NAZY:乳児用フードの販売
給食用の政府調達品に指定される可能性も片隅に残しておきたいですね。
給食制度や妊婦向けの栄養食品がどの程度業績に寄与するかは未知数ですが、私の中では投資検討対象に含めています。
新首都ヌサンタラへのインフラ投資
プラボウォ・ギブラン ペアはジョコウィ現大統領の政策路線を引き継ぐこととしており、特にジョコウィ現大統領の肝いりであった新首都移転は次期政権でも豊富な予算をつけて推し進めていくことが確実視されています。
新首都の開発コンセプトとして、民間投資を積極的に活用し、国家予算の投入は限定的とすることとされていますが、実態としては新首都に関心の高い企業はあまり多くなく、プロジェクトの大半を国営企業が受注して進めているようです。
新首都ヌサンタラをテーマにした銘柄
PTPP:国営建設会社、大統領宮殿、中央銀行等10つ以上の建設プロジェクトに参加
WIKA:国営建設会社、新首都の高速道路等の建設に関与
JSMR:国営高速道路の運営事業体、新首都の
APLN:民間の不動産開発業者、インドネシア全土で開発を手掛けているが新首都周辺の住宅開発に積極的
PTPP:国営建設会社、大統領宮殿、中央銀行等10つ以上の建設プロジェクトに参加
WIKA:国営建設会社、新首都の高速道路等の建設に関与
JSMR:国営高速道路の運営事業体、新首都の
APLN:民間の不動産開発業者、インドネシア全土で開発を手掛けているが新首都周辺の住宅開発に積極的
医療分野への投資
妊婦・幼児の栄養問題と関連して、地域の医療改善は引き続きインドネシアの重要課題と認識されています。
国民健康保険に相当するBPJSがインドネシアには既に存在していますが、赤字体質なうえ地方では十分な医療がカバーされていないとして不満がたまっているようです。
今回の討論会では、医療分野に関して医者の育成(特に専門医)と地方医療施設の充実について言及していました。具体的には奨学金や医療人材の海外留学支援等とのことでしたが本当に予算をつけて実行する気があるのか不明瞭です。
レアメタル資源の川下化(EV自動車)
レアメタル(ニッケル)をテーマにした銘柄
INCO:ブラジル資源大手ヴァーレのインドネシア法人、ニッケルの採掘等
ANTM:インドネシア国営鉱山、金やニッケルの採掘
NCKL:財閥ハリタグループ、ニッケル精錬大手
EV自動車産業への期待は高く国による支援も確約されており是非とも投資しておきたい分野です。
ただしニッケルについては近年、在庫多寡のため世界的な価格低迷に喘いでおり、またテスラを始めとしてEV自動車メーカーはレアメタルを利用しないバッテリーの開発も進めています。