2021年度のインドネシア株式相場は、全体としては横ばいに推移しているように見えますが、実際には銘柄によって勝ち組と負け組がハッキリと分かれてきたようです。
今年のトレンドを分析してみたいと思います。
2021年度のトレンドはプラットフォーム銘柄
上記は、2021年度8月現在の各個別銘柄への資金流入のランキングです。
これを見てみると、最も資金が流入しているのは下記の2銘柄であり、これらの銘柄の共通点は、”プラットフォーマーとしてインドネシアの市場を開拓している“銘柄であるということです。
1. PT Bank Jago Tbk (ARTO)
ARTOは元々Bank Artos Indonesia Tbkという名前でしたが、Gojek社がフィンテックサービス展開に向けて追加投資し傘下に収めた銀行で、その後PT Bank Jago Tbkへ社名変更しています。
Gojek社はライバルのGrab社とならんで、インドネシアでの配車、宅配デリバリー、ゲームや保険まであらゆるサービスを提供していますが、特にARTOは金融部門の中核を担う銀行と位置づけられており注目されています。
売上高の推移を見てみると、徐々にGojekとの連携が業績に表れており、間違いなく、今後の成長が楽しみな銘柄です!
とはいえ、赤字を掘り続けている現段階で、期待先行により株価が9倍まで続伸しているのは気になります。
このような銘柄は、株価が乱高下することが多々あります。一度大きく値崩れするのを待ってからでも悪くないかなと思います。
2. PT. Elang Mahkota Teknologi Tbk (EMTK)
EMTKは、本業はメディア業でSCTVやIndosiar等複数の放送チャンネルを運営していますが、ここ5年間の株価は泣かず飛ばずの状態でした。
しかし、近年はBukalapakの主要株主(30%弱保有)となったり、またGrabの5,88%を保有するなどプラットフォーマのメインプレイヤー企業へ積極的な投資を行っています。
業績をみてみると、本業のメディア業は若干の増収増益ではあります。ただ、これだけで2021年度の株価暴騰を説明するのは難しいと思います。やはり積極的に投資しているBukalapakやGrabがプラットフォーマーとして急成長することへの期待が大きいのだと思います。
プラットフォーム銘柄の株価は今後も続伸するのか?
プラットフォーム銘柄の株価は、2021年度は素晴らしい急騰を見せていますが私はバブル相場に近い株価水準にあり、今は投資に適した株価水準ではないと思います。
バブル相場と懸念する要因は以下の2つです。
- プラットフォーム関連銘柄は、まだ上場数が少なく投資が特定の銘柄へ集中しやすい傾向にある。今後Goto社(Gojek社とTokopedia社の合併後企業)の上場などで投資の選択肢が増えた場合には、投資銘柄が分散され株価が急落する恐れがある。
- 、2021年8月に虎の子であるBukalapakは新規上場を果たしたが、初日にストップ高を付けた後は伸び悩んでいる。これを契機にプラットフォーム銘柄への投資熱が冷める可能性がある。
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