【大暴落】GoTo株の大暴落を解説

インドネシアで配車サービスGojekとEコマースTokopediaを運営するGoToの株にて、12月初旬より10日連続ストップ安、直近高値から75%以上暴落しています。

株価暴落のきっかけが興味深かったので、今回は原因分析とこれからの投資判断について考えてみたいと思います。

☑株価大暴落前のマーケットの状況

今回の連続ストップ安の背景として、もともと弱気相場が続いていたというのは大事なポイントです。

2022年4月に公募価格338ルピアで上場したGoTo株直後は高値を更新していたものの、世界経済、とくにアマゾンやメタ(Facebook)、ネットフリックスなどの米国ハイテク株の暴落の流れを受けて売り優勢の相場でした。

インドネシア国内でも、株価が200ルピアを下回ったあたりから、毎年の赤字額が巨額であることや、リストラ情報などネガティブな情報が多々流れており、なにかしらの事件が発生すれば一斉に売りが殺到するような弱気相場であったといえます。

このような相場感は今回の直接の暴落要因ではないですが、買い勢力がみられず暴落が止まらない要因の1つであることは間違いありません。

☑トリガーとなったのは大規模な市場外取引

パニック売りのトリガーは、2022年11月30日の時間外市場取引だと考えられます。もともと、この日は上場前株主はロックアップ期間完了日でした。
 
ロックアップ期間とは、上場してすぐに創業家の株式売り抜けを認めてしまうと株価下落の要因となり、上場時に投資した一般投資家が不利益を被る可能性があることから一定期間売却が制限される期間です。
 


ロックアップ期間とは、上場してすぐに創業家の株式売り抜けを認めてしまうと株価下落の要因となり、上場時に投資した一般投資家が不利益を被る可能性があることから一定期間売却が制限される期間のこと

 
マーケットもロックアップ期間が明ければ、売り圧力が強くなることを想定しているわけですが、11月30日の市場終値Rp 151に対して、市場外での大量売却取引(売却総額 約300億円)、それもRp101の大幅ディスカウントでの取引が発生しました。

 

市場外取引が成立した背景を推察すると
 
① 内部事情をよく知る物が、GoTo社の成長性等を懸念して売り抜け
② 創業家などの資金繰りの逼迫によるやむを得ない売却
③ 事前契約に基づいた取引の履行 (GoTo社の業績とは関係ないことも)
 
このあたりが考えられます。

①や②が主な要因だとすると、確かに今後株価が下落する可能性を秘めている事象と捉えられますが、一方で、③であれば、あくまで株主間の移動ですので今後の株価下落とは直接は関係ないとも言えます。
 
管理人
管理人
個人的には③の可能性があるような気がしていますが….


市場外取引の目的と取引実施者が不明であるため、最悪のケースを想定して我先にと売り抜けが始まります。これが連続ストップ安のトリガーだと思います。
少なくとも市場外取引時のディスカウント価格Rp101までは買いが全くつかない状況となってしまいました。

☑繰り返された市場外取引

不運はさらに続きます。実は12月2日以降も定期的に市場外でのディスカウント取引が成立したことが報じられました。
特に、12月6日にはマーケット価格を大幅に下回るRp81~Rp50での時間外取引が複数成立しており、その金額も100億円規模と無視のできない金額となっています。
 
この間、GoTo側は市場メカニズムに任せているとのコメントを残すのみで詳細の説明は無し。
管理人
管理人
この相場ではだれも買えませんね。


☑これから起こること、これからの投資方針

直近の時間外取引のディスカウント価格を考慮して、Rp81以下までは簡単に下がると思います。ストップ安がさらに続いて2022年12月13日に Rp81まで下落、ここから2つのシナリオが描けます。
 
【楽観的シナリオ】
楽観的なシナリオとしては、翌日14日にRp 75あたりで反発するというもの。
ただ、このシナリオでも、買い圧力は限定的ですぐに反落する可能性が高いです。前回の時間外取引の詳細が開示されたりすれば別ですが、大きな反発は期待できません。
 
【悲観的シナリオ】
Rp 80以降も、まとまった買い勢力が現れず、ストップ安が連続してRp 70以下となると次は、インドネシアの株式市場の株式最低価格はRp 50が現実味を帯びてきます。ケインドネシアでは、Rp50未満での市場売買はできませんので取引がまったく成立しなくなる株価に突入する前に売り抜けようと考える投資家が増えます。

特に大口機関投資家は損失確定してでも売り抜けせざるを得ない状況となり、売りが売りを呼ぶ地獄の相場が始まります。

こうなると、Rp 50まで一方的に下落する可能性、最悪のケースとしては15日連続ストップ安の不名誉記録達成となりますが、このシナリオも十分予見しておく必要があります。
 
現在の相場は、短期売買の場合リスクが非常に高く最悪の相場です
落ちてくるナイフはつかむな ということです。
 
 
ただし、中長期投資の視点ではここまで株価が暴落すれば、PBRは0.7~0.5倍水準まで落ち込むこととなり非常に魅力的な株価水準となります。

インドネシアのデカコーン企業であったGoToが投げ売り価格で放置されるわけがありません。シンガポール勢なのか、インドネシア国内財閥勢なのかは予想できませんがGoTo株をひそかに買い始める企業が必ず出てくると思います。
 
また、2023年1Qでは黒字化達成の見込みというポジティブな報道も出てきていますので、1年以内には少なくともRp 200前後まで株価が回復する可能性は高いとみています。
私は、日々の需給を確認しながら、勇気を振り絞ってGoTo株買ってみます。

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