石炭の需要動向
石炭は安価で効率なエネルギー源として世界中で大量に消費されています。
先進国では石炭は環境に悪いことから、天然ガスや自然エネルギーへのエネルギー代替が進んでおり、もはや時代遅れの資源と思われがちです。
しかし実際には中国および発展途上国を中心に需要量はここ数年拡大傾向、今後も横ばいで推移すると予測されています。
石炭銘柄の特徴
インドネシアでは石炭の採掘は一大産業であり、自国向けの火力発電用だけでなく海外への輸出品としても利用されてます。
石炭価格はコロナショックによる世界中の需要減少を受け価格が暴落し、石炭関連銘柄は大きく株価を下げています。
株価が暴落している今こそ、石炭銘柄への絶好の投資タイミングかもしれません!
石炭銘柄全体の傾向として、どの銘柄も配当性向が高めという特徴があります。株価値上がりによるキャピタルゲイン目的だけでなく高配当銘柄への投資が好きな方にもお勧めです。
インドネシアの石炭銘柄5選
1. PT Bukit Asam (PTBA)
インドネシアで最も有名な石炭銘柄です。
石炭の採掘事業がメイン事業ですが、その他にも火力発電所の運営などの関連事業も運営しています。
収益性は石炭価格に依存するものの業績は拡大傾向であり、売上高純利益15%~20%を安定的に確保しています。
配当性向は年度の業績に応じて変動しますが、30%~75%となっています。
2. PT Adaro Energy (ADRO)
こちらも、インドネシアで知名度の高い石炭銘柄です。
PT Bukit Asamとかなり類似した銘柄ですが、PT bukit Asamと比較すると、海外輸出割合が高いことが特徴ですので為替の影響や世界(特に中国、インド)の需要動向に影響を受けます。
また、多角化戦略の1つとして石炭事業以外にも進出している印象があります。(ロジスティックス等)
Adaro社も緩やかに業績を伸ばしており、売上高純利益率は10%前後で推移しています。
過去の配当性向は30%~50%程で推移しており、高配当銘柄と言えます。
3. PT Indo Tambangraya Megah (ITMG)
知名度では上記に劣るものの、安定して業績を伸ばしている企業です。
炭鉱は東カリマンタンを中心に複数あり、中間配当も含めた年間の配当性向は10%~50%程度あります。
発行済み株式の30%以上を市場で公開しており、高い流動性が確保されている点も高評価です。
4. PT Harum Energy (HRUM)
Harum Energyは最近業績が伸び悩んでいる企業です。炭鉱は東カリマンタンと中部カリマンタンにあります。
2014年~2016年は、業績低下に伴い無配に終わった過去もあり高配当目当ての場合には避けた方がいいかもしれません。
5. PT Mitrabara Adiperdana (MBAP)
日本の出光興産が30%出資している炭鉱開発企業です。
事業規模は決して大きくありませんが、順調に業績を伸ばしており利益率も比較的安定しています。販売先の多くは中国や韓国などのアジア向け、炭鉱のあるカリマンタンはコロナ流行地でもありませんので今後も業績が順調に伸びていく可能性があります。
懸念点として、ロケーションはカリマンタンのマリナウ炭鉱の様ですが、ネットで調べてみると環境問題が報道されているようです…。
また、配当性向はあまり高くありませんし、株式公開しているのは全株式の10%に過ぎないことから流動性がそれほど高くない点も気になります。
迷ったらBukit Asam株とAdro株!
石炭セクターの銘柄は石炭の市場価格の変動によって、業績が大きく変動する性格を持っています。
そのため、銘柄選定よりも株式投資のタイミングがより重要です。
石炭先物価格はここ10年で最安水準にありますのでコロナ後の世界経済回復を見越して買い増ししていくのも投資アイディアの1つとして面白いと思います。
コメント
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